フィクサー・メリーズPart6
山崎は
少しずつ
目を開いた
白い壁に覆われ
右腕は点滴に繋がれて
ベッドに寝ていた
「山崎、目が覚めたか?」
沢村刑事が座っていた
「沢村先輩・・・」
山崎は
沢村の体を見た
怪我をしている様子は無い。
「今から署長に連絡する。
何を聞かれても
【分かりません、覚えていません】
そう繰り返せ」
そう言うと
持っていたタバコを
そっと山崎に渡し
沢村は病室を出た。
その後
警察署長が来た。
青ざめた顔で
何度も怒鳴っていた。
「3日間もどこにいたんだ!」
「なぜフィクサー・メリーズを撃ったんだ!」
「誰が責任を取るんだ!」
山崎は
答えることが面倒になり
黙り続けた。
署長は何か言い残し
青ざめた顔のまま帰って行った。
山崎は
混乱した頭を整理するため
点滴を外し
病院の屋上へ行った。
沢村からもらったタバコを
吸った。
少し落ち着いた。
タバコの煙を
空に向かって吐いた時
声が聞こえた
「あなたが山崎さんですね」
振り返ると
鋭い眼光の男が
立っていた
「どなたですか?」
「面白い事を言いますね。
あなたに撃たれた男ですよ」
フィクサー・メリーズが
山崎に拳銃を向けて
立っていた
(つづく)