商店街歩きながらブッチーばいばい
息子と商店街を歩いていた。
ちょうど藤崎の前。
叫び声が聞こえる。
「どうなってんだ!ぞぉおお!!」
前方約10メートルを歩くおじさん
「これでどうだぁああ!!!」
理由はわからない。
春が近づいているせいなのか。
おじさんはブチギレている。
ぼくたちはおじさんを
「ブチギレのブッチー」と名付けた。
一定の距離を保ちながらブッチーを観察した。
歩きながらずーっとブッチーはブチギレている。
アエル手間のフルーツサンド屋まで
ブッチーはブチギレていた。
ブッチーは信号を渡り仙台駅へ。
僕たちはブッチーを見送った。
「さようなら、ブッチー」
ぼくが別れの言葉をいうと
息子がポソっといった。
「さよならじゃないよ。
家にもブッチーがいるじゃないか」
「そうだったね。
キング オブ ブッチーがいるね」
親子の微笑ましい会話をしながら
足取り重く自宅に向かった。