「主人公のように生きる」のは大変
子供たちと絵本を作っている間、頭があつくなる。日頃使っていない頭を猛スピードで回転させているのか、終わったあとは冷えピタをおでこに貼って、ガリガリくんを食べている。そんな私の姿を見た息子は「楽な仕事だね」と言う。仕事という意識も無いが、楽ではないし、苦しいときもあるが、それ以上に「やりたい」「つくりたい」が上を行く。子供たちは創造力というボールを剛速球でぶつけてくるので、中年のおじさんである私は全身ボロボロにされながら、打ち返し続ける。だから、冷えピタとガリガリくんは手放せない。
コドモたちとオリジナルのエホンをつくることを「コドモエホン」と名前を付けた。この活動は2015年くらいから始めて、これまでに7000人以上の子供たちと絵本をつくった、と思う。数えるのが面倒なので、途中で数えることをやめてしまったし、作り終えたコドモエホンについては、興味も無いので見返すこともしない。妻から「あんたは冷たいねぇ」と言われることも度々ある。だから、保護者の方に質問をされても、それっぽいことを答えることができない。「こんな感じで答えたら喜ぶだろうな」ということが下手なため、疑問が頭に浮かぶと質問してしまう。
7月に開催した絵本作りのワークショップで、子育てに熱心なお母さんから「子供には、物語の主人公のような人生を歩んでほしいんです」と言われた。「どんな物語の主人公でしょうか?」と聞き直す。喜劇もあれば悲劇もあるし、ホラーもあるし、サスペンスもあるし、スケベな物語もある。どの作品にも主人公は存在している。「私の息子には、エロティックサスペンスの主人公のような人生を歩んで欲しいんです」とは言わない。
であれば、お母さんが子供に歩んで欲しい「主人公のような人生」とは何なのか。
どうすれば主人公のような人生を歩めるのか、明日書いてみる。