フィクサー・メリーズ Part 2
「すばらしい別荘じゃないか!」
「お褒め頂き光栄でございます」
「なんといっても
この素晴らしい眺望!
この街すべてを見下ろせる!」
「そうなんです
特に夜景は素晴らしい眺めで」
「なるほど
シャンパンでも呑みながら
この街を見下ろしているんだね
私が住む街を」
「・・・・・」
「それにしても
素晴らしい別荘だ」
「よろしければ!是非!
是非こちらの別荘をお使い下さい」
「貴様
私を馬鹿にしているのかね?
私は物乞いではない!!!!」
「失礼しました!
どうぞ、どうぞお許しを!」
「キツく言ってすまないね」
「いえ・・・」
「私はね、昔から
他人から借りるのが嫌いなんだよ」
「・・・・」
「じゃ、失礼するよ」
「出してくれ」
「会長
昼食はどうなさいますか?」
「いらん、そんなことより
リフォーム業者に連絡をしておけ」
「はい」
「あの壁紙はセンスが悪すぎる」
「会長
これからどちらに向かえば」
「アカチャンホンポへ」
「網走刑務所には
行かれないのですか?」
「余計なことを言うな!」
メリーズの瞳から
涙がこぼれた